※野外調教/モブ×劉備


それでもなお陵辱の嵐が止むことはない。
早速翌日の晩のこと。さらなる屈辱を与えてやろうと鼻息も荒く、軍師は主の寝室に無遠慮に足を踏み入れた。
もう孔明の顔を見るだけで激しく怯えるようになってしまっていた劉備は部屋の隅に追いつめられぶるぶると震えることしかできない。
寄り集められた塵のように小さくなっている劉備を捕まえ力任せに衣服を剥ぎ取っていく。毎日が同じことの繰り返し。軍師が満足するまで君主が解放されることはない。

「劉備殿に贈り物があります」
身を堅くしさめざめと涙を流す劉備にうやうやしくそう告げると懐から何やら黒い物を取り出してみせた。
劉備は差し出された物を認めるなりひい、と小さく悲鳴を上げた。瞬時に元々蒼白だった顔を一層青ざめガチガチと歯を鳴らし始める。隈のできた目元が新たな涙でしとどに濡れる。用途はもうわかりきっていた。犬の首輪だった。
艶のあるなめし革がふんだんに使われ高級そうな品であることが伺えたがそんなことは危機に瀕した劉備にとってはなんの救いにもならなかった。
ひいんひいんと子犬のような鳴き声を漏らし続ける主を一時興味深げに眺めてからゆっくりと首に輪をかけていく。
されるがままの劉備の意識は徐々に自壊し始めていた。あまりのことに思考が追いつかず半ば投げやり気味になっていた。

「いいですね。似合ってますよ」
しっかりと付けられた首輪は事実、痴愚の目を晒し息を荒げながら床に転がる男にはよく似合っていた。真っ黒な皮が全裸の白い肌に映え軍師の目を大いに楽しませた。
「さ、そろそろ行きましょうか」
首輪に荒い編目の綱を括り付けぐいと引っ張る。
気管が不意に圧迫され可哀想なほどに咳き込んでしまう。
「ほら、ちゃんと四つん這いになって! でなきゃ外まで行けないでしょう」
部下の意図している所をはっきりと理解した主は激しく揺さぶられたような頭の痛みをやっとのことで堪え、涙と鼻水を零しながら犬の格好になる。
外気に晒され敏感になった箇所が緩く勃ち上がり体の中心でその存在を主張し始めていた。
後ろから覗き込むと半勃ちの性器から薄い陰毛まで丸見えでそれを指摘されれば劉備はただ歯を食いしばるしかない。
その格好のまま引っ張られるにまかせてよたよたと歩きだす。冷たい廊下の上に膝を突きながら誰かに出くわさないかと冷や冷やし、庭先に出て月明かりのほの明るさに裸を見られやしないかとびくびくした。
性器が与り知らない所で完全に勃起しきっていた。
「もっと遠くまで行ってみたいなあ」
独り言のように漏らされた台詞にやめてくれ、と返そうとして失敗する。首輪を思い切り引かれたのだ。
屋敷の者に聞こえぬよう小声でいやだ、やめてくれと叫んでも相手にされずそのままずるずると引っ張られてしまう。
門戸をくぐり抜け屋敷の外の道を下っていく。時折へたり込んで泣き出す劉備を叱責しながらほとんど引きずるようにして連れていく。

「ここら辺でいいかな」
道から逸れた草深い所でまた独り言を零し、一本の立ち木を撫でている。劉備は首への圧迫に喘ぎながら草の上に転がっている。
不意に手を引かれて体が跳ねる。手首を後ろ手に纏められ何か堅い物で巻かれる感触がある。後ろを振り返ると孔明が涼しい顔で腕を縛り上げ終わった所だった。すっくと立ち上がり首輪に繋がれた綱を傍らの灌木の高い場所に括り付ける。
「それじゃあ劉備殿、いい子で待ってるんですよ」
気が向いたら迎えに来てあげますから、と付け加えけたたましい笑い声と共に去っていく。
もう追い縋る体力も泣き喚く気力も残っていなかった。ただ一筋の水が頬を伝い落ち硬い土の上に染みを作って消えた。




孔明の後ろ姿を見送って数刻が過ぎ、辺りは完全な闇に飲まれた。
小さく啜り泣きながら劉備はできるだけ身を低くして息を潜めることしかできない。
まだ暑い時期とはいえ夜風は身を切るように冷たい。熱を持っていた箇所はもうすっかり萎えきっている。

ただ裸であるというだけならまだいいが、後ろ手に縛られ首輪で括られているこの状態、何も知らない他人が見たらいったいなんと言うだろうか。やはりスキモノとか変態だとか言われるのだろうか。
到底面白いとは言えない想像に劉備は身震いし目を見開いた。誰かに見られたら、身の破滅だ。
腕を横に引いてみるが荒縄が手首に食い込んで痛んだだけだった。身を捩れば裸の皮膚に草や石ころの角が当たり僅かな傷ができた。
枯れたはずの涙がまた零れ落ちてくる。
あいつはどうしてこんな回りくどいことをするのか。こんな酷いことをしたくなるほど憎らしいのならいっそぼくを殺してしまえばいいじゃないか。そうだ殺してくれ。もう天下なんてどうでもいいから、早く殺してくれ。殺してくれ、殺してくれ!

漏れだした嗚咽がふっと掻き消える。
劉備は目を見張り硬直していた。視線の先には蠢く黒い影とその数だけの明かり。三人、いや四人はいる。少し離れた道の上にがたいのいい男ばかりが頭を寄せ合って何やら相談している風だった。
目を凝らすと明かりの下で各々が腰に提げた太刀がぎらりと輝いた。柄の悪そうな薄汚い顔を歪めにやにやと当たりを見回している。盗人か何かだろうか。いづれにせよ真っ当な立場の人間には見えない。
劉備は背の高い草陰に身を潜め息を飲む。
見つかっても丸腰なのだから何か盗られるということはないだろう。いや、しかし。焦りに混乱しだした頭をなんとか巡らせる。何も持っていないことに怒り狂った奴らはもしかしたら自分を殺すかもしれない。あの鋭そうな太刀で首をすぱりとやられたらもうひとたまりもないだろう。ああ、でもそれなら願ったり叶ったりじゃないか。あの恐ろしい男がいる屋敷に帰るくらいなら、ここで殺される方がよほど楽というものだ。殺してくれ、殺してくれ。
草をかき分け一歩また一歩と近づいてくる影に心臓が張り裂けそうになりながら劉備はただ殺される自分の姿だけを夢想していた。他の可能性、人間によっては死ぬよりも遥かに恐ろしく屈辱的な扱われ方。心の隅の隅では予測していたがあまりの絶望感に気付かない振りをしていた事。その未来が今間近にまで迫っていることを劉備は一切認めようとしなかった。
ただ殺されることだけを考え続け、その逃避は最悪の事態がまさに現実のものとなるその瞬間まで彼の頭を支配し続けてた。




僅かに白み始めた東の空に劉備は生きた心地がしなかった。
口内に粘りつく汚物を土の上に吐き出し激しく咳き込む。それでも舌に残る生臭い独特の味は消えることがなかった。
横になったまま自分の下腹部を恐る恐る見下ろしてみる。腹の上には自分がまき散らした粘液が広がり、股の間からはやや薄まった白濁が内腿を伝って大量に流れ落ちていた。古いものから順に乾き始めていた。
見るも無惨な状態に吐き気が込み上げてきたが未だ後ろ手に拘束されたままなので口を押さえることもできない。口の端から白いものが混ざった胃液が滴り落ちる。
昨日まではきっちりと整えられていた髪も今やぐしゃぐしゃに乱れ長い後ろ髪で顔面が隠れてしまうほどだった。
これが一国の君主であると言われても誰も信じないだろうことは火を見るより明らかだった。

呆然と倒れ伏し薄く開いた目で青ざめた空を見上げる。自分を犯した賊たちが去り際何か言っていたのを思い出す。
楽な仕事。金払いのいいガキ。薄気味悪い笑い方。
連続した無理な絶頂に朦朧とする頭ではその言葉の意味する所は全くわからなかった。時間が過ぎもうすっかり朝になってしまった今でもやはりうまく解釈することができなかった。劉備はただ震え続けるしかない。

「劉備殿」
頭の上から振ってきた声に淀みきった目を向ける。
彼方に昇った日を遮って孔明が立ちふさがっていた。表情は影になって読みとれない。
劉備が薄く口を開き何か言おうすると突然横たえられていた体を起こされそのままきつく包容された。土と精の汚れが衣服に付くのも構わず肩口に顔をうずめ優しげな手つきで傷ついた背を撫でる。
劉備は抱かれるままに身を任せこっそり男の髪と衣服の匂いを嗅いだ。さっきまで鼻を突いていた獣臭い汗や垢染みた皮膚の臭気とは比べものにならないほどに上品でかぐわしい香りだった。
劉備は安堵と懐かしさに涙を流して喜んだ。
その様子にふっと微笑を漏らし精液と涙でずるずるになった頬に手を添える。
「こんなにぼろぼろになるまで一人でよく頑張りましたね。偉いですよ」
陽の光を感じさせる柔らかな笑みに劉備は心酔するようにうんうんと頷き返す。瞳はただ一点だけを見つめ、おかしなほどに動かない。
「さあ、早く帰りましょう。一緒にね。帰ったらすぐ湯浴みをして体を綺麗にしてさしあげます」
言いながらゆったりとした手つきで荒縄と首輪に付いた綱を外していく。解放された手首には痛々しいほどの赤い痕が浮かんでいた。その傷跡を両の手で優しく包み込み慈しむように撫で回す。
「昨日も一日中何も召し上がっていなかったからお腹が空いたでしょう? すぐに劉備殿のお好きなものを作らせますから、湯浴みが済んだら一緒に食べましょう」
その一言に劉備は子供のように顔を綻ばせ裸の体のまま勢いよく抱きついた。
しっかりと受け止め髪に指を通す。きつい性臭が鼻を突く。
「本当に……いい子ですね」
持参した布きれで体の汚れを拭い、剥き出しの肩にそっと真新しい着物を羽織らせる。
前に下りてきていた髪を後ろに撫で付け見栄えするように直す。

一連の行為もされるに任せ、劉備は半笑いのままじっと部下の顔だけを見つめていた。胸中にはただこの男が自分の下に居てくれて良かったという思いだけがあった。助けに来てくれたんだ。嬉しいな。
劉備はこれまで受けた酷い仕打ちもすっかり忘れてしまえるほどに愚かだった。ある意味それは恐怖と恥辱に打ち勝ち自分の利害と折り合いを付けられるという点でこの君主の賢さの表れでもあった。
なんにせよ二人の信頼関係はリセットされ、もう主が軍師を恐れることはない。
しかしその平穏も次なる戯れが軍師の気まぐれで開始されるまでの儚いものでしかなかった。

「本当に、劉備殿はいい子だ。ずっと、飽きるまで可愛がってあげますから、安心してくださいね」






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